“苦患”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くげん93.4%
なやみ3.9%
くかん1.3%
ぐげん1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じつは昨晩、ご悲嘆のさまを、見るに見かね、おのれの身一つさえやッとな乞食法師のぶんもわすれて、つい浮世いろいろな苦患くげんばなし。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼我等に曰ふ、あゝいぶかしくも苦患なやみの世にゐて何の罰をもうけざる者よ、心をとめてマエストロ・アダモの幸なきさまを見よ 五八—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
われら風情をも、たのむべきやからおぼし給えばこそ、かほどの大事をも、お胸を割って、打ち明け下されたものと存ずる。君恥かしめらるれば臣死す。やわか殿おひとりのみに苦患くかんをおさせ申そうや。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何もずるいことをしたってわけじゃなし、お線香代お花代それは払って、ただ余分の心づけがしてやれないってだけのことだけれど、それが不思議に苦患ぐげんだった。気がひけてひけてならなかった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)