黄蘗おうばく)” の例文
後の高尾の文覚もんがくだの、黄蘗おうばく鉄眼てつげんだのは、仕事師であるが、寂心は寂心であった。これでも別に悪いことは無い。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
向島の言問ことといの手前を堤下どてしたりて、うし御前ごぜんの鳥居前を小半丁こはんちょうも行くと左手に少し引込んで黄蘗おうばくの禅寺がある。
それでワザワザ支那から椿の苗木を取り寄せこれを山城宇治の黄蘗おうばく山万福寺へ植えたと言っている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
黄蘗おうばくスナワチ問ウ、古人、アヤマッテ一転語ヲ祗対シテ、五百生、野狐ノ身ニ堕ス。転々、アヤマラザレバ、コノナニヲ作ルベキ。師イウ、近前ニ来レ。カレノ為ニイワン。
野狐 (新字新仮名) / 田中英光(著)