麥藁帽子むぎわらばうし)” の例文
新字:麦藁帽子
あの化粧机の向う側の押入おしいれの中に彼女のものだと云ふ服がもう既に私の黒い毛織のローウッドの服と麥藁帽子むぎわらばうしとに入れ代りになつてゐるだけで十分である。
みぞつかつた麥藁帽子むぎわらばうしが、たけかは一所いつしよに、プンとにほつて、くろになつて撥上はねあがる。……もう、やけになつて、きしきるむし合方あひかたに、夜行やかう百鬼ひやくき跳梁跋扈てうりやうばつこ光景くわうけいで。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)