しおから)” の例文
一晩のうちにからになった胃のなかへ甘い、しおからい、渋い食物を充分につめこんだ満足はたとえようもない。小憩ののち読書、もしくは日記。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
第三にあすこの土をめてみると、たしかに少ししおからいような気がすること、とこう云うのですけれども、私はそんなことはどれも証拠しょうこにならないと思います。
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかもそのしおからい気持の裏には、或るほのかなよろこびを否み得ぬわれとわが心の姿についてであつた。
垂水 (新字旧仮名) / 神西清(著)
唾液は口から出てアルカリ性だからしおからい味だし、胃液はいし、肝臓から出る胆汁はにがい。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
支那料理の原則たる五味の調和という事は誰にでも応用が出来て自然と化学的作用に適合しているね。即ち料理には必ず甘いとしおからいとの外にからいといとにがいという五の味が備わらねばならん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)