鴻巣こうのす)” の例文
埼玉県鴻巣こうのすの辺りから岩槻いわつきこし亀有かめあり、亀戸を経て東京湾に延長する一地震帯があって、この地震帯から、小規模ではあるが、強烈な地震が起こる。
地震なまず (新字新仮名) / 武者金吉(著)
熱し熱しと人もいい我もかこつ。鴻巣こうのす上尾あげおあたりは、暑気あつさめるあまりの夢心地に過ぎて、熊谷という駅夫の声に驚き下りぬ。ここは荒川近きにぎわえる町なり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それから岩槻いわつき鴻巣こうのすとは共に雛人形ひなにんぎょうの産地で有名であります。後者は土俗的な人形でも久しく名を得ました。雛祭ひなまつりの風習が続く限りこれらの土地に仕事は絶えないでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
翌四日は鴻巣こうのす田本たもと中食ちゅうじきです。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鴻巣こうのすにいたりて汽車を棄て、人力車くるまを走らせて西吉見の百穴あなに人間のむかしをしのび、また引返して汽車に乗り、日なお高きに東京へ着き、我家のほとりに帰りつけば
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)