“鴨東”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おうとう75.0%
あふとう25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昨日きのうね、僕が湯から上がって、椽側えんがわで肌を抜いで涼んでいると——聴きたいだろう——僕が何気なく鴨東おうとう景色けしきを見廻わして、ああ好い心持ちだとふと眼を落して隣家を見下すと
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
億万円にも代えられぬ東山のどうをくりぬいて琵琶湖の水を引張ひっぱって見たり、鴨東おうとう一帯を煙とおとにおいけがしてしまったり、せまい町内に殺人電車をがたつかせたり、嵐山へ殺風景を持込もちこんだり
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それは円山の夜桜や都踊やらで、都の人々の心を鴨東あふとうの一角にそゝり集めて居た或る暖かい宵であつた。伯父もお雪伯母もその日の朝から宮川町のお文伯母の住居へ行つて居た。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)