魑魅すだま)” の例文
震ひつゝ殘れるアレッツオの者我に曰ひけるは、かの魔性の魑魅すだまはジャンニ・スキッキなり、狂ひめぐりてかく人をあしらふ 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
黄金色わうごんいろ金盞花きんせんくわ、男の夢にかよつてこれとちぎ魑魅すだまのものすごあでやかさ、これはまた惑星わくせいにもみえる、或は悲しい「夢」の愁の髮に燃える火。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
清水につくと、魑魅すだまが枝を下り、茂りの中からあらわれたように見えたが、早く尾根づたいして、八十路やそじに近い、脊の低い柔和なおばあさんが、片手に幣結しでゆえるさかきを持ち、つえはついたが、すこやかに来合わせて
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
魑魅すだまが気夢にふれて
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)