髪結かみゆひ)” の例文
旧字:髮結
添毛そへげをするのに一層勝手が好いからであるらしい。前に云ふのを忘れたが、髪結かみゆひの店には白髪まじりの附髷つけまげかつらまつたく白いのなどもおびたゞしくあるのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
淫鄙な権妻ごんさい狡獪かうくわい髪結かみゆひ等いづれも生々いきいきとした新しい興味を以て写し出されてゐる。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
自分も巴里パリイ時時とき/″\その床屋へ行く。其れは髪の毛が一本でもちらばつて居ないのをらいとする此処ここでは自分で手際よく髪を持ち扱ひにくいからである。髪結かみゆひは多く男である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)