駒飼こまかい)” の例文
これからこの女を連れて一足先に駒飼こまかいまで行って、そこで、どんなものだとみんなの面を見てやりゃあ、後はどうなったって虫がいらあ。
駒飼こまかい宿しゅく辻堂つじどうで、ちょっとおびをしめなおしているあいだに、あなたがたおふたりが、足もとへおいたわたしの金入かねいれをお持ちになってかけだしたので
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして神尾主膳の一行が関所を出て橋を渡って休所の、すしや重兵衛の前を通って駒飼こまかいへと進んで行きました。
翌日よくじつ駒飼こまかいから笹子峠ささごとうげえる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからの一行は、写生帖も史蹟の話もなくてその怪しい者を捕えるべく、前後左右から遠網にかけるようにして、峠を下りついたところが駒飼こまかいの宿であります。
「はい、駒飼こまかいと申すところにお関所がござりまする」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)