馬飼うまかい)” の例文
かような次第で新羅の國をば馬飼うまかいとお定め遊ばされ、百濟くだらの國をば船渡ふなわたりの役所とお定めになりました。
また不思議にこの捨松は馬をあつかうことが上手で、まだ年もいかない癖に、どんなかんの強い馬でも見ごとに鎮めるというので、大勢の馬飼うまかいのなかでも褒め者になっている。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それがしの部下に、戈定かていという者がいます。これが張遼の馬飼うまかいと兄弟なのです。依って、密かにかんを通じ、城中から火の手をあげて、張遼の首を取ってみせんといっております。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬の食を盛るかご馬飼うまかいの籠から、旅人の食物を入れるうつわとなり、やがて旅人の食事まかないとなり、客舎となり、駅つぎの伝馬旅舎として縁のふかい名であり、うまや新道の名も、うまや
綽名あだなを牛丸というだけあって彼の職業は牛飼いであった。姓を馬飼うまかいと云いながら牛を飼うとはコレいかに? と、皮肉な読者は突っ込むかも知れないが、事実彼の商売は卑しい卑しい牛飼いであった。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かくてクスバの河を逃げ渡つて、播磨はりまの國においでになり、その國の人民のシジムという者の家におはいりになつて、身を隱して馬飼うまかい牛飼うしかいとして使われておいでになりました。
馬飼うまかいうまや掃除なら、世話してやるが)
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
依つてその國王がじ恐れて、「今から後は天皇の御命令のままに馬飼うまかいとして、毎年多くの船の腹をかわかさず、柁檝かじさおかわかさずに、天地のあらんかぎり、止まずにお仕え申し上げましよう」