香苞こうづと)” の例文
都ならではの香苞こうづとが、香の薫りと共に二つ出て来た。また、まりが出来るほどたくさんな琵琶の切れ糸もその中につつまれていた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「手紙やら何やらでございまして、中には都で求めた香苞こうづとだの琵琶の切れ糸なども入っておりまする」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは十一年前、初めて、高氏とここで会ったときに、変らぬちぎりのしるしにと、高氏から彼女へ与えたもので、香苞こうづと折表紙おりびょうしに似た金襴きんらんのうちに畳まれている地蔵菩薩の御影すがただった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おおこれは、貴重な香苞こうづとやら京棗みやこなつめやらで……。石秀さん、さっそくご霊前へ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あどけない童女の人形一コと、香木こうぼく香苞こうづとと、唐筆からふでと匂いのいい墨が一つ。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこらの早い秋草の花をつかねて供えている女もあれば、袂から香苞こうづとを取り出して焚いている尼もある。いずれも念仏を口のうちに、無縁ながら“あわれ”と思う一貴人の後生ごしょうを祈る風であった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この香苞こうづとですか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)