飴売あめう)” の例文
柿色の投頭巾なげずきんに、横筋の袖無そでなし、丸ぐけの太いひもで、胸に人形箱をかけた、この頃町でよく見る飴売あめうりの傀儡師くぐつしという姿の者。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝鮮おどしの金モール燦然さんぜんたる飴売あめうり服や、四角八面のフロックコートを一着に及んで、左様さよう然らばの勲何等かぜを吹かせるのが、どう考えても吾輩の性に合わなかったんだね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこに集まった面々は御免の勧化かんげであり、縄衣裳なわいしょうの乞食芝居であり、阿房陀羅経あほだらきょうであり、仮声使こわいろづかいであり、どっこいどっこいであり、猫八であり、砂文字すなもじであり、鎌倉節の飴売あめうりであり
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
万吉も物腰を変えて同じ軒下の床几しょうぎへ腰をおろし、朝飯をとりながら、いよいよ飴売あめうり傀儡師、周馬に相違ないことをたしかめてよろこんだ。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれからすぐ夫婦ふたりして大坂を立ち、道中の路銀とてないので飴売あめうりの胴乱どうらんをかけて、子の乳となる妻のかてを、一銭二銭と働きながら、きょうやっと、小倉まで辿たどり着いたところだった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飴売あめうりの太鼓までが、哀歌のように寂しく流れてゆくのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、彼は、飴売あめうりの胴乱を肩にかけた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飴売あめう傀儡師くぐつし
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)