風騒ふうそう)” の例文
旧字:風騷
するうちに、鎌倉の放抛、直義の敗走、つづいて大塔ノ宮がその幽所で何者かに殺されたなどの取沙汰も聞えて、都じゅうは容易ならぬ風騒ふうそうの中におかれだした。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その日さりて消息もなくなりにたる風騒ふうそうの子をとがめたまひそ
芥川竜之介歌集 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それを、尊氏きたるの風騒ふうそうおびえ、たちまち都をからにして、みかどの蒙塵もうじんを仰ぎなどしたら、それこそ、いよいよ武士どもを思い上がらせ、世の物笑いとなるのみだわ。……愚策ぐさく、愚策
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵の喊声かんせいはまだ遠くだが、死ぬのもなかなか心忙こころせわしい風騒ふうそうだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なる人間の存在が、時代の風騒ふうそうとともに常にあった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鴛鴦えんおうの巣は風騒ふうそうにやぶられ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)