風葉ふうよう)” の例文
紅葉門下の風葉ふうよう鏡花きょうか徐々そろそろ流行児はやりっことなり掛けた頃には硯友社の勢力は最早峠の絶頂を越していた。
黒けむりはたちまち疾風雲はやてぐもけるに似、名月は血の色そのまま、剣光の雨と叫喚きょうかんを下に見ていた。——まもなくかるる風葉ふうようのごとく、県尉けんいの馬や捕手の群れは逃げ散ッた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いささか気勢を添へんものと或日風葉ふうよう葵山きざん活東かっとうの諸子と共に、おのれも市村座に赴きぬ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)