頼襄らいのぼる)” の例文
頼襄らいのぼる序を作りて送る。十一月大阪に帰る。是年松本隣太夫、茨田軍次、白井儀次郎入門す。松本ははじめて七歳なりき。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
何がと自問する迄もなく、母の眼から見れば、明白な頼襄らいのぼるという人間には、事実いけない点がたくさんあるに違いない。怒られる原因が幾つもあるにちがいない。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の尊王敵愾てきがいの志気は、特に頼襄らいのぼるの国民的詠詩、及び『日本外史』より鼓吹こすいきたれるもの多しとす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
華麗の辞、美妙の文、幾百巻を遺して天地間に止るも、人生にあひわたらずんば是も亦空の空なるのみ。文章は事業なるが故に崇むべし、吾人が頼襄らいのぼるを論ずる即ちかれの事業を論ずる也。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)