頻年ひんねん)” の例文
かくの如く長崎の港門は、むしろ外舶に対して狭窄きょうさくとなりたるにかかわらず、我が辺海の波濤は、頻年ひんねん何となく咆哮ほうこうして、我が四境しきょうの内にとどろけり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
燕王こゝにおいて、太息たいそくして曰く、頻年ひんねん兵を用い、何の時かけん、まさに江に臨みて一決し、また返顧せざらんと。時に京師けいしの内臣等、帝のげんなるをうらみて、燕王をいただくに意ある者あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)