鞺鞳どうとう)” の例文
そこでとしこそかないが源三もなんとなく心淋しいような感じがするので、川のそばの岩の上にしばし休んで、鞺鞳どうとうと流れる水のありさまを見ながら
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
鞺鞳どうとうと流れは飛沫しぶきをあげていますが、川幅はわずか十一、二間、彼が対岸に立てばイヤでもこッちの人間を見ましょうし、こッちも最前からやり過ごそうと待っていたところ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駈寄かけよる岸の柳をくぐりて、水は深きか、宮は何処いづこに、とむぐらの露に踏滑ふみすべる身をあやふくもふちに臨めば、鞺鞳どうとうそそぐ早瀬の水は、おどろなみたいつくし、乱るる流のぶんいて、眼下に幾個の怪き大石たいせき
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)