革襷かわだすき)” の例文
ほかの者も、総て抜刀ぬきみを引っげているのだ。どの顔も皆、まなじりをつりあげ、革襷かわだすきをかけ、股立ももだちくくって、尋常な血相ではなかった。
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手ばやく革襷かわだすきをかけ、鬢止びんどめの鉢巻を木綿で締めた。そして足を踏み馴らしながら神前に戻って、拝殿の鰐口わにぐちへ手をかけた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山いでたちに、革襷かわだすきを締めこんだのが、十四、五人ばかり、わらわらと飛び出してそこに集った。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きっと、吉宗が振返ってみますと、革襷かわだすき股立ももだちのまま、旗本の中坊ちゅうぼう陽之助がそこに小膝を折って
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして結びかけていた革襷かわだすきの端を、左のたもとのわきで、きびしく締めているような様子であった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、善鬼は、革襷かわだすきあやなしながら、あわれむように典膳へいう。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを革襷かわだすきにと。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)