霊枢れいすう)” の例文
旧字:靈樞
抽斎の医学上の著述には、『素問識小そもんしきしょう』、『素問校異』、『霊枢れいすう講義』がある。就中なかんずく『素問』は抽斎の精をつくして研窮した所である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
霊枢れいすうきやうといふともわがどちはきやうとな云ひそとのらしけるらし病むひとのため
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
それの歳多紀茝庭たきさいていの発会の日に、蘭軒の嫡子榛軒は酒をかうむつて人と争つた。柏軒はこれを聞いて、霊枢れいすう一巻を手にして兄の前に進み、諫めて云つた。人には気血動くの年がある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
素問そもん霊枢れいすうでも読むような医者を捜してきめていたのではなく、近所に住んでいて呼ぶのに面倒のない医者にかかっていたのだから、ろくな薬は飲ませてもらうことが出来なかったのである。
寒山拾得 (新字新仮名) / 森鴎外(著)