隆達りゅうたつ)” の例文
のみならず、『梁塵秘抄りょうじんひしょう』や『閑吟集かんぎんしゅう』や隆達りゅうたつの小歌にまで短歌形式は崩れずに伝わってゆく。が、それだけに古体を存したということになる。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
その頃は隆達りゅうたつ小唄や、平九節ひらくぶし小唄の勃興期で、江戸にもようやく名人と言われた、女師匠が現われるようになっていました。
小屏風こびょうぶを持ちだして、その蔭で、助右衛門と勘六が、隆達りゅうたつふしを真似て唄った。瀬左衛門は、真面目くさって、堺町の歌舞伎踊りを踊るのだった。
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
などと、呑気そうな、隆達りゅうたつくずしが、しんしんと、け渡るあたりの静けさを、寂しく破るのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
女の師匠は当時はまれであったが、隆達りゅうたつをはじめ、弄斎節ろうさいぶし、土手節など、市中に小唄がひどく流行し、そのために女師匠なども、ひとさかりだったが、おこなわれたようである。
塀の中から、お綱であろう、周馬を待つ間の退屈しのぎに、探し出した三味線の糸をなおして、薗八節そのはちぶし隆達りゅうたつか、こッそりと爪で気まぐれな水調子みずちょうしらしている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新しく琉球りゅうきゅうから渡来わたってきた三味線を工夫したり、またその三味線を基礎にして今様いまようの歌謡ができて来たり、その派生から隆達りゅうたつぶしだの上方唄だのが作られたり、そういったものは
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)