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開門
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かいもん
聞付スハ切腹の御上使と一家中色を失なひ
噪ける表門には御上使と
有に
開門しければ主計頭には急ぎ玄關へ通り越前守に
對面ありて上意の趣きを
下表門へ
掛る此時大膳は
熨斗目麻上下なり
既にして若黨
潜門へ廻り徳川天一坊樣の先驅赤川大膳なり
開門せられよと云に門番は
坐睡し乍ら
何赤川大膳ぢやと天一坊は越前守が
吟味を
宰領す供には常樂院大膳左京等皆々附隨がふ
程なく伊豆守殿御役宅に到るに
開門あれば天一坊の乘物は
玄關へ
横付にしたり案内の公用人に
引れ
廣書院へ通り
上段なる設の席に着す常樂院伊賀亮等は
次の
間へ着座す又此方に控へらるゝ
御役人方には
御老中筆頭松平伊豆守殿を