長繻絆ながじゆばん)” の例文
三千代みちよつぎ部屋へやで簟笥のくわんをかたかた鳴らしてゐた。そばおほきな行李こりけてあつて、なかから奇麗きれい長繻絆ながじゆばんそで半分はんぶんかかつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
平岡が、失敬だが鳥渡ちよつとつて呉れと云つたあひだに、代助は行李こり長繻絆ながじゆばんと、時々とき/″\行李こりなかちるほそい手とを見てゐた。ふすまけた儘る様子もなかつた。が三千代の顔はかげになつて見えなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)