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鉄物
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かなもの
ふりがな文庫
“
鉄物
(
かなもの
)” の例文
旧字:
鐵物
蒼味がかッた
連翹色
(
れんぎょういろ
)
で、葉といえば、鼠みともつかず緑りともつかず、下手な
鉄物
(
かなもの
)
細工を見るようで、しかも
長
(
たけ
)
いっぱいに頸を引き伸して
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
彼は
鉄物
(
かなもの
)
屋の店さきを素通りして、町内の
鳶頭
(
かしら
)
の
家
(
うち
)
をたずねた。鳶頭はあいにく留守だというので、彼はその女房とふた言三言挨拶して別れた。
半七捕物帳:03 勘平の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
五百の里親神田紺屋町の
鉄物
(
かなもの
)
問屋日野屋忠兵衛方には、年給百両の通番頭二人があつて、善助、為助と云つた。此日野屋すら相応の
大賈
(
たいこ
)
であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
鉄物
(
かなもの
)
は、
凡
(
す
)
べて包むことにした、雨は小止みになったり、また大降りになったりする、大降りのときは、油紙の天幕の中央が、天水桶のように深くなって、U字形に雨水の重味で垂れ下る
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
おもんちゃんは
疳
(
かん
)
の高い子だったので、みんなから
狂気
(
きちがい
)
あつかいにされて、ある日大門通りの四ツ角で、いたずら子供たちにとりまかれ、肌ぬぎになって折れた
鉄物
(
かなもの
)
を振って悪童を追いかけていた。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
私一個としては、むしろ柩の鋲を取引における最も死に果てた
鉄物
(
かなもの
)
と見做したいのであった。けれども、我々の祖先の智慧は直喩にある。そして、私のような汚れた手でそれを掻き紊すべきではない。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「
鉄物
(
かなもの
)
だから堅いには相違ないが、何だか働きがないようだね」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余は一礼して「先生、何うも狐猿の毒は恐ろしい者ですネエ」医者は合点の行かぬ顔で「エ、狐猿とは」余「貴方に掛かって居ます虎井夫人の怪我の事です」医者「アア、あれですか、あれは何でも古釘で引っ掻いた者です、錆びた
鉄物
(
かなもの
)
の傷は何うかすると甚く禍いを ...
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
四谷の酒屋
播磨
(
はりま
)
屋伝兵衛、青山の下駄屋石坂屋由兵衛、神田の
鉄物
(
かなもの
)
屋近江屋九郎右衛門、麻布の米屋千倉屋長十郎の六人を召し捕って、一々厳重に吟味すると
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その参詣のうちに、日本橋北新堀の鍋久という
鉄物
(
かなもの
)
屋の
母子
(
おやこ
)
連れがあった。鍋久は鉄物屋といっても
主
(
おも
)
に鍋釜類をあきなう問屋で、土地の旧家の釜浅に次ぐ
身代
(
しんだい
)
であると云われていた。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“鉄物”で始まる語句
鉄物屋
鉄物問屋
鉄物商
鉄物類