鈿女うずめ)” の例文
あめ鈿女うずめすなわちその胸乳むなちを露わし裳帯もひもを臍の下に抑えて向い立つと、さしもの高鼻たちまち参ったと『日本紀』二の巻に出づ。
さて二ばんに仮面めんをあてゝ鈿女うずめいでたちたる者一人、はうきのさきに紙に女阴ぢよいんをゑがきたるをつけてかたぐ。
そうして、王宮からは、もそろ諸白酒もろはくざけが鹿や猪の肉片と一緒に運ばれると、白洲の中央では、薏苡くさだまの実を髪飾りとなした鈿女うずめらが山韮やまにらを振りながら、酒楽さかほがいうたうたい上げて踊り始めた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
原意は、既に忘却を重ねた後にまでも、尚、此を繰り返して居たのである。阿知女を鈿女うずめだとする説もあるが、阿知女・阿度女は、海人アマの宰領である、安曇アヅミ氏の事でなければならない。
そうして、宮の婦人たちは彼らの前で、まだ花咲かぬ忍冬すいかずらを頭に巻いた鈿女うずめとなって、酒楽さかほがいうたうたいながら踊り始めた。数人の若者からなる楽人は、おけ土器かわらけを叩きつつ二絃にげんきんに調子を打った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)