金主きんしゅ)” の例文
この国はもとより人民の掛り合いにして、しかも金主きんしゅの身分たる者なれば、なんとして国の盛衰をよそに見るべけんや、たしかにこれを引請けざるべからず。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
打つと、金の茶釜が引っ掛ったんだそうで。早速金主きんしゅが付いて、八つ山下へ親孝行の見世物が出る騒ぎでさ
っかさんにも旨い物を食べさせ、いものを着せられ、お前も芝居へもかれるから、私の金主きんしゅで大事の人だから、の人の云うことをうんと聞いて囲者かこいものにおなりよ
何とこそ言ってるか知れたもんじゃありゃしない。困って酌婦でもしていると思ってたでしょう。これでも町じゃ私も信用があったからね、土地に居つくつもりなら、商売の金主きんしゅ
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「知らん。しかし私立学校には金主きんしゅってものがある」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そうなりますには後楯うしろだてと云うものがなければなりません、商人あきんどが大きくなるには、資本もとでを貸してくれる金主きんしゅと云う者がなければ大商人おおあきんどにはなれませんものでございますが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これ切り参りませんという銭貰いじゃアねえ、金が有ればつかってしまい、なくなれば又借りに来る、れだけの金主きんしゅを見附けたのだから僕の命のあらんかぎりは君は僕を見捨みすてることは出来めえぜ
いやなら無理にお願い申しませんよ、それじゃア私の金主きんしゅ八木やぎさんから拝借した三円のお金を、今損料屋が来ておっかさんのている蒲団を引剥ひっぱぎにかゝったから、お気の毒だと思い、立替えたが