重行しげゆき)” の例文
「思い当るのは、私が、鈴木重行しげゆきのことを、上様へ御忠告したことがあるだけです。かの本願寺の謀将鈴木重行の始末について……」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というのは、二川重明の亡父重行しげゆきは、やはりもう故人になった野村儀作の父儀造ぎぞうと、ちいさい時からの学校友達であり、後年儀造は二川家の顧問弁護士でもあった。
門脇中納言教盛の末子、蔵人大夫業盛なりもりは常陸国の住人、土屋五郎重行しげゆきと組み討って死んだ。皇后宮亮経正こうごうぐうのすけつねまさは、武蔵国の住人、河越小太郎重房の軍勢に取り囲まれて討ち死をした。
と、いうのは、蘭丸の老母——森三左衛門可成よしなりの後家の妙光尼みょうこうにと、本願寺方の謀将鈴木重行しげゆきとは、かねがね信長にはごく内密で文通などわしていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、つくづくおそれた。そしてそういう驚嘆に出会うたびに、母の妙光尼のなした過去のあやまちが案じられ、鈴木重行しげゆきを家中にかくまっていると聞く明智光秀の一挙一動が心懸りになるのだった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老中安藤重行しげゆき、土屋政直の名をもって、龍ノ口の広間に招集され、席には、参考人として、町医の市川楽翁、宇治黄檗おうばくの鉄淵禅師、目付役有馬源之丞、松平藤九郎そのほかもいて、深更にいたるまで
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)