もど)” の例文
ただワイワイとはたのやかましいのに、お光は悲しさも心細さも半ばまぎらされていたのであるが、寺からもどって、舅の新五郎も一まず佃の家へ帰るし
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
かく思い定めたれども、渠の良心はけっしてこれをゆるさざりき。渠の心は激動して、渠の身は波にゆらるる小舟おぶねのごとく、安んじかねて行きつ、もどりつ、塀ぎわに低徊ていかいせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)