遣損やりそこな)” の例文
それが中途から学問をめて、この商売を始めたのは、放蕩ほうとう遣損やりそこなつたのでもなければ、あへ食窮くひつめた訳でも有りませんので。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
形勢おだやかならず、源次は遁足にげあしを踏み、這身はいみになって、掻裂かきさくような手つきで、ちょいと出し、ちょいと引き、取戻そうとしては遣損やりそこない、目色を変えて
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「私はもしも遣損やりそこなつて、はぢでもさらすやうな事が有つちやと、それが苦労に成つてたまらなかつたんだから、これでもう可いわ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)