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道中差
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だうちゆうざし
いゝあんばいに
躯が
利いて
来ました、
斯うなると
慾が出てまた
上つて
包を
斜に
背負ひ
道中差をさして
逃げ出しました。
結城紬の二枚重ねに一本
独銛の博多の帯、
道中差をぶつこんでの、革色の半合羽に
菅笠をかぶつてゐたと思ひねえ。
下につないであつた
山筏の上へ落ちると、
佩してゐた
道中差がスルリと
鞘走つて、それが
筏を
繋つた
綱にふれるとプツリと切れて
筏がこはれるとガラ/\/\と流れ出しました。