“速(まね)” の例文
他方には末広重恭、杉田定一、栗原亮一らの諸氏ありて政論のために禍を速(まね)きたること一、二回に止まらず。
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
こういう悲惨な運命を速(まね)いたのは畢竟美妙自身の罪であったが、身から出た錆(さび)であったにしても、日本の新文体の創始者に対して天才の一失を寛容しなかった社会は実に残忍である。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
憫むべき鱷は斯の如き長大なる物を呑みたる為め頻に落涙しをれり。我国の古諺(こげん)に曰く。速(まね)かざる客は韃靼人(だつたんじん)よりも忌(い)まると。鱷は縦令(たとへ)落涙すとも、胃中の寄住者を如何(いかん)ともする事能はざるなり。