追駈おひか)” の例文
ぴきいぬえながらかれふ。うしろはうでは農夫のうふさけぶ。イワン、デミトリチは兩耳りやうみゝがガンとして、世界中せかいぢゆうあらゆる壓制あつせいが、いまかれ背後うしろせまつて、自分じぶん追駈おひかけてたかのやうにおもはれた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
他でもない、それは蚊と蠅とを追駈おひかける時で、榎本氏は河鹿かじかと違つてひどく蚊と蠅とを好かない。自分の部屋に蚊か蠅かが居ると、どんな夜中にでも起き出して来て、それを追ひ廻さずにはおかない。