追々おひおひ)” の例文
御前様おんまへさまには追々おひおひあつさに向ひ候へば、いつも夏まけにて御悩み被成候事なされさふらふこととて、此頃このごろ如何いか御暮おんくら被遊候あそばされさふらふやと、一入ひとしほ御案おんあん申上参まをしあげまゐらせ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのうち、追々おひおひ、近所の人々があつまつて来た。れふしたちは、平生浜べで呶鳴どなりあつてゐるときとは打つて変つて、馬鹿ていねいな物腰で、四角ばつて挨拶あいさつをした。栄蔵は見てゐてをかしかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)