はぢし)” の例文
得言はぬ貫一が胸には、ことわりに似たる彼の理不尽を憤りて、責むべき事、なじるべき事、ののしるべき、言破るべき事、はぢしむべき事の数々はくが如く充満みちみちたれど、彼は神にもまされる恩人なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いかるべきか、この時。恨むべきか、この時。はぢしむべきか、悲むべきか、さけぶべきか、ののしるべきか、責むべきか、彼は一時に万感の相乱あひみだれて急なるが為に、吾を吾としも覚ゆる能はずして打顫うちふるひゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)