ことば)” の例文
新字:
汝は才あり學あればこそ、詩人とならんとは思ひ立ちしなれ。汝が前途は多望なり。されどわれおもふに、わが斯くことばを費すはいたづら事にはあらずや。
不孝の悲しみは胸一つには堪へざれども、御詫おんわび申さんにことばもなし、只〻御赦おんゆるしを乞ふ計りに候
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ことばつたなきをぢつゝ、つゝしん微衷びちうをのぶ。
芥川竜之介氏を弔ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
自分はことばを知らぬ。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
夫人はわが即興の手際を見んとて、こよひの登山を歌はせ、ことばきはめて我才を讚めたり。
夫人の美しくれたる目の深黒なる瞳は、極めて靜かに極めて重く、我面を俯視ふしす。若し人ありて、此時我等二人を窺ひたらんには、われその何のことばもてこれを評すべきを知らず。