赤光しゃっこう)” の例文
「墓場の屍肉しにくから、りんぐらいのものはとれるか知らないか、赤光しゃっこうを出す薬液などがとれるものか。ばかばかしい」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この特徴はすでに同じ作者の昔の「赤光しゃっこう」集中の一首一首の歌にも見られるだれにも気のつく特徴と密接に連関しているものではないかと考えられるのである。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
が、彼の手は不思議にも、万力まんりきか何かにはさまれたように、一寸いっすんとは自由に動かなかった。その内にだんだん内陣ないじんの中には、榾火ほたびあかりに似た赤光しゃっこうが、どこからとも知れず流れ出した。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
斎藤茂吉さいとうもきち氏の「赤光しゃっこう」の歌がわれわれを喜ばせたのはその歌の潜在的暗示に富むためであった。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
もしこの玉から彼が苦心の赤光しゃっこうが放てなかったら、ほかの火焔がどうよく出ても、ひらいたすがたが上品でも、音響が何里四方をゆるがしても、また人工の星が宇宙の星を連れて地へ下がって来ても
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五 赤光しゃっこう
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)