)” の例文
旧字:
としより夫婦は声も節も昔のごとしとめ、年若き四人は噂にたがわざりけりと聴きほれぬ。源叔父は七人の客わが舟にあるを忘れはてたり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ネルロが大画家ルーベンスの魂にむかって、いろいろなめことばや、思いつめた祈りを捧げているのを聞きました。
探偵小説は、プロレタリア文学と同じように、日本に生まれてからまだ新しいために、仲間の間で、これまで余りに御座おざなりなめあいが多すぎたように思う。
「陰獣」その他 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
旦那様に取ては一生のうちに忘れられない日で、彼処あそこでも荒井様、是処ここでも荒井様、旦那様の御評判は光岳寺の鐘のように町々へ響渡りました。長いお功労ほねおりめはやす声ばかりで。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
父の妙技がめられるのを聞く時、あるいはメルキオル自身で人から受けた賛辞を誇張して述べたてる時、彼は得意の情に顔を輝かした。彼は父のおおげさな自慢話をほんとうだと信じた。
人のめるのもうらやむのもうれしいとは思召さないのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)