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詠歎
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えいたん
ふりがな文庫
“
詠歎
(
えいたん
)” の例文
ましてや一たび酔うて今は
醒
(
さ
)
めているという
類
(
たぐい
)
の旅人であったならば、深い
詠歎
(
えいたん
)
なしには
看
(
み
)
て過ぐることができなかったろう。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その
詠歎
(
えいたん
)
を終りとして、私達は暗然と項垂れ合い、扨て私は窓の外へ目を
逸
(
そ
)
らして、今にも空気になろうとする私の身体を感じつづけていた。
母
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
これに反して叙事詩は、主観によって事実を見、感情の
高翔
(
こうしょう
)
した気分によって、歴史を
詠歎
(
えいたん
)
しようとするのである。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そうそう、あなたは何よりもセンティメンタリズムが嫌いだったわね。じゃもう
詠歎
(
えいたん
)
はやめにして上げるわ。……
文放古
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「時にはなりぬ」だけで
詠歎
(
えいたん
)
のこもることは
既
(
すで
)
にいった。佐保の宅というのは、
郎女
(
いらつめ
)
の父大伴
安麿
(
やすまろ
)
の宅である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
故に詩を作ることはいつも「
祈祷
(
きとう
)
」であり「
詠歎
(
えいたん
)
」である。詩人は小説家のように、人間生活の実情を観察したり、社会の風俗を研究したりしようとしない。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
霍公鳥の鳴く頃になったという
詠歎
(
えいたん
)
で、この季節の移動を詠歎する歌は集中に多いが、この歌は民謡風なものだから、何か相聞的な感じが背景にひそまっているだろう。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
いつか子爵の懐古的な
詠歎
(
えいたん
)
に釣りこまれて、出来るなら今にも子爵と二人で、過去の霧の中に隠れている「一等
煉瓦
(
レンガ
)
」の繁華な市街へ、馬車を駆りたいとさえ思っていた。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いや、
詠歎
(
えいたん
)
そのものさえも、すでに時代と交渉がなくなっていたと言ってもさしつかえない。
樗牛の事
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
即ちこの種の画家たちは、対象について物の実相を描くのでなく、むしろ主観の幻想や気分やを、情熱的な態度で画布に塗りつけ、詩人のように
詠歎
(
えいたん
)
したり、絶叫したりしているのである。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
“詠歎”の意味
《名詞》
長く声を引いて歌うこと。
感動を声に出すこと。
感嘆すること。
(出典:Wiktionary)
詠
常用漢字
中学
部首:⾔
12画
歎
漢検準1級
部首:⽋
15画
“詠”で始まる語句
詠
詠草
詠嘆
詠歌
詠唱曲
詠進
詠人
詠題
詠史
詠唱