許昌きょしょう)” の例文
帝はやがて董承を伴って、殿廊を渡られ、御苑を逍遥して、なお、洛陽から長安、この許昌きょしょうと、三度も都をうつしたあいだの艱難を何かと語られて
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうどその前後、曹操の遠征は、冀州から遼西にまで及んで、許昌きょしょうの府は、ほとんど手薄とうかがわれたので、玄徳は再三再四、劉表に向って
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに較べると、河南の許昌きょしょうは、地味豊饒ちみほうじょうです。物資は豊富です。民情もすさんでいません。もっといいことには、かの地には城郭も宮殿も備わっています。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
国なく食なく、痩せた馬と、うらぶれた家の子郎党をひき連れた劉玄徳は、やがて許昌きょしょうの都へたどり着いた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長雨の山水がかさんだものゆえ、急にはひかぬにせよ、半月も待てば必ずもとにかえる、情報によれば、許昌きょしょう地方もこの水害におかされ、飢民は暴徒と化し、百姓は騒ぎ乱れ
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「天の声かも知れません。漢室は元来、火性の家です。あなたは土命どめいです。許昌きょしょうの方位は、まさに土性の地ですから、許昌を都としたら、曹家は隆々と栄えるにちがいありません」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この許昌きょしょうの都に親しく留まって以来、眼にふれ耳に聞えるものは、ことごとく曹操の暴戻ぼうれいなる武権の誇示こじでないものはありません。彼は決して、王道をまもる武臣の長者とはいえぬ者です。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義兵は勝ち、驕兵はかならずやぶる。誰も知る戦の原則である。——曹操はいま許昌きょしょうにあって、天下を制しているが、めいはみな帝の御名を以てし、士卒は精練、彼自身は、機変妙勝の胆略を蔵している。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)