襟章えりしょう)” の例文
誰もいないと思った階段の下から、ヌッと坊主頭ぼうずあたまが出た。しばらくすると、全身を現した。襟章えりしょう蝦茶えびちゃの、通信員である一等兵の服装だった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
汚れ切った眉廂まゆびさしげた軍帽から、どす黒くなった襟章えりしょうや、色のせた軍服のすそまで、硝煙の匂いがこびりついていて大分歳を老けさせているが、口元に残っている子供らしさが
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
襟章えりしょうを見ると文科だけれど、私は学校に出ないから、どこの科の男かわからない。
風宴 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
四年の襟章えりしょうをつけていた。堀口生はそれに気がつくと急におだやかになって
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼は、新しい襟章えりしょうも、佩剣はいけんも、一向いっこう嬉しくないのである。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)