蘊奥うんのう)” の例文
旧字:蘊奧
未発みはつの真理を説いて一世の知識を誘導するものは学者である。学理の蘊奥うんのうを講じて、天下の人材を養成するものは学者である。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
た正科の外、別に英語の一科を設け、子弟をして深く新主義の蘊奥うんのうに入り、つまびらかにその細故さいこを講ずるの便を得せしめんと欲するは、余の諸君と共に賛する所なり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
「決して、美辞甘言を呈し、いつわってめるわけではありません。いかなる兵家の蘊奥うんのうを傾けても、この江岸一帯の陣容から欠点を捜し出すことはできないでしょう」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくら研究の自由だからと言っても、ちゃんと大学令に、国家に枢要すうようなる研究の蘊奥うんのうを極めとある以上、(本当はそんなことは書いてないが)国家に害あるような研究を
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
蘊奥うんのうを極めるというようなことは、ほとんど出来難いものであるが、そういう事を苦にするような、芸術的人間でもなかったので、結句その方が勝手であり、まずい皮肉をいう以外には
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼はこの危険な弟子に向って言った。もはや、伝うべきほどのことはことごとく伝えた。なんじがもしこれ以上この道の蘊奥うんのうを極めたいと望むならば、ゆいて西のかた大行たいこうけんじ、霍山かくざんの頂を極めよ。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
我政府は森林を択てこれを皇家の有に帰し、皇家はその収益を散じてこれを天下の学者に与え、これをして終世学問の蘊奥うんのうを講求するの便を得せしめ、以て学問を独立せしめざるべからずと。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
何一つとしてその蘊奥うんのうを極めないものはなく、英王ウィリアム三世は氏を渾名あだなして「歩行辞書」(Walking Dictionary)といい、ドイツ、イギリス、ロシヤなどの王室は
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)