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蘇川
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そせん
惜しいことには水がたかく、岩は半没して、その
神工の
斧鉞の跡も十分には見るを得ないが、まさに
蘇川峡の最勝であろう。
それより上は全くの
神斧鬼鑿の
蘇川峡となるのだ。彩雲閣から
僅に五、六丁足らずで、早くも
人寰を離れ、
俗塵の濁りを留めないところ、
峻峭相連なって
少からず目をそばだたしめる。
「日本ラインという名称は感心しないね、卑下と
追従と生ハイカラは
止してもらいたいな。
毛唐がライン川をドイツの木曾川とも
蘇川峡とも呼ばないかぎりはね。お
恥かしいじゃないか」