薬取くすりとり)” の例文
旧字:藥取
私がちょこちょこ近処きんじょだから駈出かけだしては、薬取くすりとりくのでしたが、また薬局というのが、その先生のおいとかいう、ぺろりと長い顔の、ひたいからべにが流れたかと思う鼻のさきの赤い男
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
相応そうおう流行はやって、薬取くすりとりも多いから、手間取てまどるのがじれったさに、始終くので見覚えて、私がその抽斗ひきだしを抜いて五つも六つも薬局の机に並べてる、しまいには、先方さきの手を待たないで
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)