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薄菊石
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うすあばた
ふりがな文庫
“
薄菊石
(
うすあばた
)” の例文
まだ二十七八でせうが、
薄菊石
(
うすあばた
)
の小男で、三十にも三十五にも見える不景氣さが、此男をひどく老實らしく見せるのです。
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
又
薄菊石
(
うすあばた
)
の五十格好の男のやうに、吊皮に揺られて居る老婆を
傲然
(
がうぜん
)
と睥睨しながらふんぞり返つて居る方が、何れほど男らしいか分らないと思つた。
我鬼
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
その当時は、廿四、五だった、色白の、すらりと身長の高い、
薄菊石
(
うすあばた
)
のある、声の好い、粋なおやすさんが、もう六十五、六になって、須磨子さんの京舞を見ている。
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それは
薄菊石
(
うすあばた
)
の顔に見覚えのある有馬という士の声らしく、乱暴者を壁に押えつけながら、この男さえ殺せば騒ぎは
鎮
(
しず
)
まると、おいごと刺せ、自分の背中から二人を突き刺せ
蛍
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
と云ったのは、その中の、絹商人だという三十八、九の、顔に
薄菊石
(
うすあばた
)
のある男であった。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
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伽羅大盡の貫兵衞は、
薄菊石
(
うすあばた
)
の
醜
(
みにく
)
い顏を
歪
(
ゆが
)
めて、腹の底から一座の空氣を
享樂
(
きやうらく
)
して居る樣子でした。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薄菊石
(
うすあばた
)
のある顔が、その男の心の裡の冷淡さを示して居るやうに、老婆に席を譲るべき屈竟の位置にあるに拘はらず両足をフンぞり延ばしたまゝ、平然と坐つて居る。
我鬼
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
伽羅大尽の貫兵衛は、
薄菊石
(
うすあばた
)
の醜い顔を
歪
(
ゆが
)
めて、腹の底から一座の空気を享楽している様子でした。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「彦兵衞——
薄菊石
(
うすあばた
)
の
巾着切
(
きんちやくきり
)
は誰だ。早い方がいゝ。今から手を廻したら、金が戻るかも知れねえ」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところで、彦兵衞。その巾着切の
薄菊石
(
うすあばた
)
を、お前は心當りがありさうだが——」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
菊
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷