蒼筋あおすじ)” の例文
見る間に太る額の蒼筋あおすじ癇癪持かんしゃくもちの頭痛やみにて、中年以来丸髷まるまげに結いしこと無き難物なれば、何かはもってたまるべき。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
七月目の腹籠はらごもり、蝮が据置かれた硝子がらす戸棚は、蒼筋あおすじの勝ったのと、赤い線の多いのと、二枚解剖かいぼうの図を提げて、隙間一面、晃々きらきらと医療器械の入れてあるのがちょうど掻巻かいまきすその所、二間の壁に押着おッつけて
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)