蒲郡がまごおり)” の例文
一昨日の夜の蛍狩ほたるがりのこと、昨夜から今日の午前にかけての蒲郡がまごおりのことなど、楽しかった遊びの後味よりも、ついさっき別れて来た雪子の
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それは東海幹線の蒲郡がまごおり駅から展望した衣ヶ浦を、丁度その反対の方面から見たやうな形になつてゐて
伊良湖岬 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
最近では東海道にいくらか縁のあるのは何か手の込んだ調べものがあると、蒲郡がまごおりの旅館へ一週間か十日行って、その間、必要品を整えるため急いで豊橋へ出てみるぐらいなものである。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
墨股すのまた合戦のくだりは、古典にもある場面ですが、新宮十郎行家が、蒲形かまかた(現今の東海道、蒲郡がまごおり)を根拠地としていたということは、古典にはなく、小生の詮索せんさくによるものでありますが
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蒲郡がまごおり、常磐館にて。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
日を一日繰り上げたのは、大垣から真っ直ぐ東京へ帰ると云う雪子を、三人が蒲郡がまごおりまで送って行こうと云うことになったので、金曜日に菅野方へ泊り
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
船は港の泊りを重ねて尾州蒲郡がまごおりいかりを下した。蒔蔵の故郷豊橋へはもう近い。
百喩経 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それだと蒲郡がまごおりへ五時半頃には着くはずであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)