落書らくが)” の例文
「あの落書らくがきは、まだいてあるかな。あれから、もし隣村となりむらたら、なにかまたいたかもしれない。」
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「子供衆の落書らくがきでございますよ。ろくでもないことをベタベタ書き散らすので、主人が氣を病んで、昨日の夕方私に言ひつけて洗はせましたが、なか/\落ちません」
かれは、それをひろうと、ゆびさきでつちとしました。そして、かべいてある、落書らくがきにならべて良吉りょうきちは、自分じぶんむらき、そのかたわらにM生エムせいとしたのであります。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、半月はんつきばかりたってから、良吉りょうきちは、ふたたびようたしのために、ガードのしたとおりかかりました。そのとき、かれは、なんで落書らくがきのことをおもさずにいましょう。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)