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華胥
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かしょ
ふりがな文庫
“
華胥
(
かしょ
)” の例文
あるいは夜間睡魔をふせぐためか、または心地よく
華胥
(
かしょ
)
の国に遊ぶために、すなわちこれをわが国の言葉でいえば、「おとぎ」のために語られるのであるから
『グリム童話集』序
(新字新仮名)
/
金田鬼一
(著)
夏になると私は好んで
華胥
(
かしょ
)
の国に散歩する。南華真経を枕として伯昏夢人や、列禦寇の輩と相往来して四次元の世界に避暑する。汽車賃も電車賃もなんにも要らない。
惰眠洞妄語
(新字新仮名)
/
辻潤
(著)
可
(
いい
)
心持に、すっと足を
伸
(
のば
)
す、
背
(
せなか
)
が浮いて、
他愛
(
たわい
)
なくこう、その
華胥
(
かしょ
)
の国とか云う、そこへだ——引入れられそうになると、何の樹か知らないが、
萌黄色
(
もえぎいろ
)
の葉の茂ったのが、上へかかって
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
衾
(
ふすま
)
を打ちかずきながら書籍、雑誌など読みいたりしに、ようやく
睡気
(
ねむけ
)
づきて、やや
華胥
(
かしょ
)
に遊ばんとする折しも、枕辺の方に物音して、人の気配するままに驚きて目を開き見れば、こはいかに
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
軒の風鈴に緑を吹き来る風の音
喧
(
やかまし
)
からず、そのチリチリに誘われてツイ
華胥
(
かしょ
)
の国に遊び去る、周荘が胡蝶の夢も殊の外に安らかで、醒めぎわの現なしにも愛らしき音は何の妨げともならぬぞ嬉しい。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
“華胥”の解説
華胥(かしょ)は中国に伝わる伝説上の国。華胥国、華胥氏とも書かれる。
西北の果ての地にあるとされ、全てが自然のままで為政者は無く、人々に欲望も無く、とても長寿であるという。三皇五帝のひとりとして中国神話で語られる伏羲の母は、この華胥の人であったとされている。黄帝が夢の中でこの国をおとずれ、その様子に感じ入り、自らの政治の規範としたといい、この伝説は「華胥の夢」という故事成語になっている。
(出典:Wikipedia)
華
常用漢字
中学
部首:⾋
10画
胥
漢検1級
部首:⾁
9画
“華”で始まる語句
華奢
華
華美
華魁
華麗
華々
華厳
華表
華車
華客