あらら)” の例文
いや、現にその時も、平太夫がそう答えますと、さっきの盗人は一層声をあららげて、太刀の切先きっさきを若殿様の御胸に向けながら
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「何のふが悪い、不義の子じゃあるまいし」と声をあららげるのもはげましの気持から出る言葉であった。そうした中でいねはしだいに肥立ひだっていった。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)