-
トップ
>
-
荒木
>
-
あらき
一年生の
荒木と三
太、お前ら何しとる! こらツ、三年の
吉川静江、今お手玉を出しちやいかん! 四年の
太田! 二年の
松井! みんなチヤンとしてこつちを見い!
冬になれば頑固な石の
暖炉へ今でも
荒木を投げ込むので
何処を眺めても
煤光に
穢く光つてゐる中へ
「
何故ですか? 承りたいものですが」と
荒木夫人はみるみるふくれあがった。
四方の壁には昔から
此処で飲んだ幾多の漫画家の奇怪千
万な席
描が縦横に貼られ、傷だらけの薄
穢い
荒木の卓の幾つと粗末な麦藁の台の椅子の二十
許りとが土間に散らばつて居る。
「ああ、あの
荒木の奥さん、あれにはまた弱って仕舞うねえ」