若殿輩わかとのばら)” の例文
袁譚えんたん袁煕えんき袁尚えんしょうなどの若殿輩わかとのばらも、めいめい手痛い敗北を負って、続々、冀州へ逃げもどって来たので、本城の混乱はいうまでもない。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此處こゝ中學ちうがくあたりの若殿輩わかとのばらに、をかしきそのわけらせぬがかるべし、とおもふこそなほをかしけれ。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
豆相ずそうの近国でこそ、北条殿の息女といえば、どんな深窓の名花かと、見ぬすがたを、垣間見かいまみにでもと、あこがれる若殿輩わかとのばらもあるが、佳麗な容色は
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とかく冬中は、御家中の若殿輩わかとのばらも、足軽などおしもの者も、総じて、屋内に引き籠りがちで、菜漬なづけを喰うて、湯茶をのんで、らちもないむだ話に、徒然つれづれの日を送りがちに見うけられます。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつも、城内の若殿輩わかとのばらが押しかけては、酒陣をかこむ布川ぬのかわという茶屋がある。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)